のんべえおじさんのおやつ日記 #4シュクセ

食のプロデューサー・文筆家植野広生

“のんべえおじさん”こと、植野広生です。 
おじさんは毎日酒を呑むが、甘いものも好きだ。 
酒盗が好きだが、シュクセも大好きだ。 

シュクセ

我が故郷、宇都宮の「コボリ洋菓子店」は良心的な味と値段で、1969年の創業以来、市民に愛され続けている。店内には多彩なケーキや焼き菓子が並び、眺めているだけでも楽しいのだが、おじさんは華やかなケーキよりも地味なお菓子に惹かれてしまう。 

たとえば、「シュクセ」(フランス語で「成功」という意味)。ナッツ、チョコ、栗を混ぜて焼き上げたバターケーキで、見た目はとっても地味。しかし、口に入れると適度にしっとりふんわりした食感の後から、穏やかな甘味とナッツの香ばしさとチョコのコクがじわじわ広がって豊かな余韻が残る。地味だけど滋味。 

シュクセ断面

一口目のインパクトは強くはないけれど、食べ続けるとどんどん好きになる日常のお菓子。こういう味わいがあるから、地元に愛されるんですよね。 

そして、目移りするのが洋菓子店の楽しみ。もちろん、シュクセだけ買って帰るわけにはいかない。ふわふわの生地にコクのあるカスタードクリームが詰まっているパフケーキ「下野カスター」、筒状のデニッシュ生地にカスタードクリームがたっぷり入った「コルネ」も買いました。 

いつでも食べたいし、いつまでも食べたい。そんな素敵なお菓子があれこれ並んでいる洋菓子店が故郷にあることが誇らしい。 

AUTHOR

食のプロデューサー・文筆家植野広生

食の雑誌『dancyu』元編集長。現在、win-do.us代表。執筆、講演をはじめ、企業・自治体のアドバイザーなど、食を軸に幅広く活動している。BSフジ「日本一ふつうで美味しい 植野食堂」に出演中。そのほか「情熱大陸」「プロフェッショナル 仕事の流儀」「アナザースカイ」など、テレビ・ラジオ番組に多数出演。また、「土佐おきゃく大使」「高知県観光特使」「宇都宮ブランドアドバイザー」「栃木市ふるさと大使」を務める。

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